2012年06月13日 [技術・サービス]
音波による新しい情報伝送手段
『INFOSOUND™(インフォサウンド)』が
人体に与えるストレス反応について
昭和大学医学部と共同研究
ヤマハ株式会社(本社:静岡県浜松市中区中沢町10-1、社長:梅村 充、以下ヤマハ)は、ヤマハが開発した音波による新しい情報伝送手段『INFOSOUND(インフォサウンド)』が人体に与える影響について昭和大学(東京都品川区旗の台1-5-8、学長:片桐 敬)医学部第一解剖学の塩田清二教授、佐藤和恵客員教授と共同研究を行い、「通信に通常用いられる音量レベルにおいてINFOSOUND音響信号によるストレス上昇は認められない」ことを確認いたしました。
背景と目的
ヤマハでは、2008年から音響通信技術『INFOSOUND』の研究開発を進めてきました。音響通信(音波を利用した情報伝送)には「既存のスピーカー設備を利用することができる」「複数の受信機に同時にデータを配信(1対多配信)できる」「音量やスピーカーの指向性で到達範囲を制御することができる」等のメリットがあり、放送、店舗や公共施設での利用、各種サイネージや音楽CD等への組み込みといった幅広い分野への応用が期待されています。
音響通信を今後広く利用していくにあたっては、当然のことながら通信に用いられる音響信号が人体に悪影響を及ぼさないことが求められます。INFOSOUNDで通常利用される18.6~20.6kHzの音波は大半の人間には聞こえることがありません。また、スペクトラム拡散方式(デジタル信号を広い帯域に拡散して送信すること)をベースとした通信技術であることから他の音響通信技術と比較すると通信に必要となる音量が低く、これまでのさまざまな研究結果・文献に照らし合わせても聴覚器官等に物理的な悪影響を与える可能性はないものと考えられます。
今回の調査は、上記聴覚器官への物理的影響とは別に、「音」としての知覚の有無に関わらずINFOSOUND音響信号の存在が人体にストレスを与えるかを調査するものです。
調査内容及び結果
調査実施日 | 2011年11月7日(成人)、2012年4月4日(未成人) |
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調査対象 | 成人15名(20代~50代)、未成人18名(1才~10才) |
調査内容 | 調査対象者へのINFOSOUND音響信号発信の前後で、対象者それぞれの唾液を採取し、ストレスマーカーとなる唾液成分(コルチゾール)の抗酸化測定を行った |
調査結果 | 成人、未成人ともに、INFOSOUND音響信号に対するストレス反応は認められなかった |
※ 本研究結果については、詳細の分析の後、論文発表を行う予定です。
今回調査の結果を受け、ヤマハでは安全に利用できる音響通信としての幅広いINFOSOUND導入を目指して進めてまいります。スマートフォンが急速に普及し生活に根付いていく中、高まるオンライン・オフライン連携サービスに対するニーズに応え、より便利で快適な暮らしを実現することを目指します。
INFOSOUNDとは
『INFOSOUND』は、ヤマハが開発したデジタル情報を音響信号に変調して伝送するシステムです。高い周波数帯域を使用することで人間にはほとんど聞こえないようにデータの伝送を行うことが可能です。スピーカーから出た短い情報符号(音響ID)を携帯端末のマイクで受信し、サーバーとの連携でURL情報に変換する仕組みを用いることで、ユーザーはスピーカーに近づくだけでクーポンを受け取れる、あるいはeコマースのサイトにアクセスしてショッピングができるなどのサービスを提供することができます。
INFOSOUNDウェブサイト:http://jp.yamaha.com/products/soundsignage/infosound/
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