2014年07月15日 [ 管弦打楽器]
世界初*、環境に優しいバイオマス由来樹脂を楽器に採用
バイオマス由来樹脂製 ヤマハ ソプラノリコーダー
『YRS-401』『YRS-402B』
− 2014年10月発売 −
ヤマハ株式会社は、リコーダーの新製品として、環境に優しいバイオマス由来樹脂(注)を世界で初めて*使用した、ヤマハソプラノリコーダー『YRS-401』『YRS-402B』を2014年10月から発売します。
価格と発売日
品名 | 品番 | 運指タイプ | 価格 | 発売日 |
---|---|---|---|---|
ヤマハ ソプラノリコーダー |
YRS-401 | ジャーマン式 | 2,268円(税込) 2,100円(税抜) |
10月 |
YRS-402B | バロック式 |
- ◎初年度販売予定数:合計 30,000本(2品番計)
製品の概要
リコーダーは、バロック時代(17世紀頃)に起源を持つ伝統的な木管楽器で、音が出しやすく、音程もずれにくいため、子どもが音楽の旋律を初めて奏でるのに適しています。学習指導要領で小学校3年生からリコーダー(旋律楽器)を使って学習することが記述されており(後述参考資料参照)、授業で使用される機会が多いことから、日本人にとってなじみの深い楽器となっています。
当社は、1967年からリコーダーの製造・販売を開始しております。中でもABS樹脂製リコーダーは、優れた耐衝撃性、木製リコーダーにも匹敵する音色、正確な音程、価格等が評価され、多くの小・中学校の授業で採用されています。
◇
このたび発売するソプラノリコーダー『YRS-401』『YRS-402B』は、生物資源から作られたバイオマス由来樹脂を世界で初めて*採用した楽器で、「環境に優しい」かつ「楽器としての性能向上」を実現させたものです。バイオマス由来樹脂として、東レ株式会社(以下東レ)が開発したポリ乳酸系樹脂「エコディア®」(注)を採用し、同社と共同開発したオリジナル材料を使用しています。
ポリ乳酸系樹脂「エコディア®」の採用により、樹脂製でありながらも木製リコーダーのような芯のあるまろやかな音色と、音の鳴りやすさとともに、植物をイメージするカラーデザインを実現しました。
なお、バイオマス由来樹脂製のリコーダーの使用により、ABS樹脂製に比べて約20%の二酸化炭素削減が実現できます。仮に全国の小学校1学年(100万人想定)がバイオマス由来樹脂製リコーダーを採用すると、約230tの二酸化炭素の排出を抑えられます。
詳細は以下の通りです。
- *市販楽器として。2014年6月現在、当社調べ。
主な特長
1. バイオマス由来樹脂を世界で初めて楽器に使用、環境に優しいリコーダー
ポリ乳酸系樹脂「エコディア®」(東レ社製)を採用、世界で初めてバイオマス由来樹脂を使用した楽器です。化石資源依存からの脱却や、地球温暖化防止につながる“環境に優しい”リコーダーとしています。
2. リコーダーとしての性能が向上
ポリ乳酸系樹脂「エコディア®」を採用したことにより、全体の比重がABS樹脂より若干重くなりました。これにより、木製リコーダーに近い芯のある音色や、音の鳴りやすさ、芯のあるまろやかな音色を実現しました。また、比較的出しにくいとされる高音も出やすく、今まで以上に吹きやすさも向上しています。
3. 植物をイメージした優しい色を採用
通常、学校用リコーダーは黒色と白色のツートンもしくは白一色が一般的ですが、今回の製品については、子どもはもちろん大人も使いたくなるような色をデザインし、学校用リコーダーのイメージを一新させました。本体はポリ乳酸の原料でもあるトウモロコシやサトウキビ等を、付属ケースは植物の葉をイメージした配色としています。
なお、付属ケースは布製で、有害物質を出さない植物由来の素材を使用。楽器本体、ケースともに環境に配慮した製品となっています。
開発の背景
当社では、1967年からリコーダーの製造を開始。学校の授業で多くの子どもたちが使用することを前提に、製造工程で接着剤を使用しない超音波溶着の方式を採用するなど、音色のみならず安全品質にもこだわってきました。その中で、2003年頃から環境に優しい楽器の追求をはじめました。2011年頃より「環境配慮型植物由来樹脂」など再生可能な「バイオマス由来樹脂」が各メーカーから提供され始め、研究と試行錯誤の結果、東レが展開するバイオマス由来樹脂のポリ乳酸系樹脂「エコディア®」が、当社製造技術と適合し、当社の開発コンセプトの具現化に最適な材料であったことから、採用に至りました。今回発売する『YRS-401』『YRS-402B』は、東レのポリ乳酸系樹脂「エコディア®」を使用、リコーダーとしての性能を向上させ、「子どもにも環境にも優しいリコーダー」としたものです。
主な仕様
YRS-401 | YRS-402B | |
---|---|---|
調子 | C | |
運指タイプ※ | ジャーマン式 | バロック式 |
形状 | ダブルホール 3本継ぎ管 アーチ型ウィンドウェイ |
|
付属品 | 指かけ、そうじ棒、リコーダークリーム、運指表、布製ケース |
- ※孔の大きさが異なる2つのタイプがあり、F音(ハ長調のファの音)の運指方法が異なります。
<注>バイオマス由来樹脂及びポリ乳酸系樹脂「エコディア®」について
バイオマス由来樹脂
バイオマス由来樹脂は、生物資源から作られた樹脂で、地上にある植物を原料とし、地上の二酸化炭素の増減に影響しないという性質を持っています。もともと大気中の二酸化炭素を吸って生成された物質(植物)を使ってできた樹脂素材であるため、仮にそれを燃焼廃棄したとしても、二酸化炭素の量は±0となるという考え方です。同じく燃焼した際にもダイオキシンなどが発生せず、環境汚染の原因にもなりません。
東レのポリ乳酸系樹脂「エコディア®」
ポリ乳酸とは、デンプンを発酵させ乳酸化し、これを重合して作った植物由来の樹脂で、バイオマス由来樹脂の一種です。東レポリ乳酸系樹脂「エコディア®」は、東レ独自のポリマーアロイ技術を駆使してポリ乳酸と他素材を組み合わせ、従来の石油系樹脂と同等の性能を発現させたものです。植物由来のポリ乳酸を活用することにより、地球温暖化防止や化石資源消費量削減に努め、より継続的な社会の発展に貢献します。
ご参考
『YRS-401』『YRS-402B』に対するアーティストからのコメント
栗コーダーカルテット
ポップで楽しそうな色が良いですね!楽器らしい重みがあって本格的な響きがします。抵抗感があって息が入れやすく、吹き込んでも大丈夫。特に高音域の音が作りやすいですね。音の切れがよくタンギングがしやすい、音にセンター(ツボ)がある、実に使い勝手の良いソプラノリコーダーです。個体差が少ないのでユニゾンパートのレコーディングにも良さそうです。素材を変えることでこんなに進化するなんて、リコーダーって奥深いですね。子どもたちがこの楽器からリコーダーを始められたら、その先の伸びが違ってくるんじゃないでしょうか。
(栗コーダーカルテット プロフィール)
それぞれに作編曲家、演奏家の顔を持つ4人がリコーダー+αの楽器を携え、今年で結成20年を迎える。『ピタゴラスイッチ』、『帝国のマーチ』のカバーなどヒット曲多数。
千田鉄男(ちだ てつお)
日本全国のほとんどの小学校で、3年生から全員がリコーダーに取り組む。ある意味、国民的楽器と言ってもいい。楽器の歴史も古く、レパートリーも豊富で、生涯にわたって使い続けられる楽器である。リコーダーは下手な子が吹くと変な音が出て、上手な子が吹くといい音が出る。もちろんピアニカ(鍵盤ハーモニカ)でも言えることだが、リコーダーはもっと極端である。5年生くらいになるとリコーダーの本当にいい音を出す子が増えてくる。そんなときに応えてくれるのがいいリコーダーだ。このバイオマス由来樹脂製リコーダーはその可能性をさらに広げてくれる。そして、美しい地球で音楽に親しむ子ども達の将来に期待したい。
(千田鉄男 プロフィール)
現役の小学校音楽科教諭であり、作曲・編曲も数多く行っている。教職員対象の研修会講師など全国にて活躍中。
ヤマハリコーダーのラインアップについて
ヤマハの樹脂製ソプラノリコーダーは、従来のABS樹脂製モデルに加え、今回の新製品が加わり、以下のラインアップとなっています。
ジャーマン式運指 | バロック式運指 | 税抜価格 | |
---|---|---|---|
ABS樹脂製 | YRS-27III | YRS-28BIII | 1,200円 |
ABS樹脂製 | YRS-37III | YRS-38BIII | 1,600円 |
ABS樹脂製 | YRS-301III | YRS-302BIII | 1,900円 |
バイオマス由来樹脂製 | YRS-401 | YRS-402B | 2,100円 |
ABS樹脂製 | YRS-311III | YRS-312BIII | 2,400円 |
ABS樹脂製 | YRS-313III | YRS-314BIII | 2,400円 |
また当社では、木製リコーダーも製造しています。製作にあたっては、材質の硬度や比重による音質の変化や構造を研究。世界中で活躍する演奏家や専門家から助言を得ながら、ヤマハならではの木工技術を駆使して製作しています。当社の木製リコーダーは、音色・音量だけでなく、吹き心地・質感・耐久性などあらゆる面で高いクオリティを備え、多くの方々にご愛用いただいています。
このほか、当社では手の不自由な方が演奏できるように工夫した「片手リコーダー」、カラフルでかわいらしさを追求した「スケルトンリコーダー」も製造しています。
学習指導要領について
学習指導要領とは、文部科学省が告示する教育課程の基準です。学習指導要領では、小学校3年生、4年生の器楽活動の指導事項として、下記のように記述されています(文部科学省 小学校学習指導要領解説(音楽)より引用)。
『○音色に気を付けて旋律楽器及び打楽器を演奏すること。
この事項は,楽曲に合った表現の能力を育成するために、音色に気を付けて旋律楽器及び打楽器を演奏する内容を示したものである。中学年で取り上げる楽器については、「第3指導計画の作成と内容の取扱い」2(4) に、「(ウ)第3学年及び第4学年で取り上げる旋律楽器は、既習の楽器を含めて、リコーダーや鍵盤楽器などの中から学校や児童の実態を考慮して選択すること。」、「(ア)各学年で取り上げる打楽器は、木琴、鉄琴、和楽器、諸外国に伝わる様々な楽器を含めて、演奏の効果、学校や児童の実態を考慮して選択すること。」と示している。(以下略)』
◇
当社のリコーダーの詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。
http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/educational_equipments/recorders/
*文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
製品についてのお問い合わせ先
■報道関係の方のお問い合わせ先
- ヤマハ株式会社
- 広報部 宣伝・ウェブコミュニケーショングループ 担当:橋本
〒108-8568 東京都港区高輪2-17-11
TEL:03-5488-6605
FAX:03-5488-5063
■一般の方のお問い合わせ先
- 株式会社ヤマハミュージックジャパン
- 楽器営業本部 商品企画部 教育・アクセサリー企画課
〒108-8568 東京都港区高輪2-17-11
TEL:03-5488-1686
エコディア®についてのお問い合わせ先
■報道関係の方のお問い合わせ先
- 東レ株式会社
- 広報室広報課
〒103-8666 東京都中央区日本橋室町2-1-1
TEL:03-3245-5179
■一般の方のお問い合わせ先
- 東レ株式会社
- 樹脂・ケミカルGR・LI事業推進室
〒103-8666 東京都中央区日本橋室町2-1-1
TEL:03-3245-5186
※このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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