ニュースリリース

2015年06月18日 [ プロオーディオ]

ホテル、宴会場、会議室、劇場など商業空間での幅広い用途に対応

オートマチックミキサーやスピーチプライバシーなど多彩な機能を搭載

ヤマハ シグナルプロセッサー
『MRX7-D』

− 専用アプリを使ってマイク入力から出力の設定までシステムの設計・管理が可能、9月発売 −

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ヤマハ シグナルプロセッサー『MRX7-D』 2015年9月発売予定

ヤマハ シグナルプロセッサー『MRX7-D』
2015年9月発売予定

 ヤマハ株式会社は、ホテル、宴会場、学校、会議室、劇場などの商業空間での幅広い用途に対応する設備音響機器の新製品として、ヤマハ シグナルプロセッサー『MRX7-D』を2015年9月に発売します。

価格と発売日

品名 品番 価格 発売日
ヤマハ シグナルプロセッサー MRX7-D オープンプライス 2015年9月

製品の概要

 近年、商業施設などにおける快適な空間づくりのために、内装や空調、照明に加え、BGMなどの音響設備の重要性が注目されています。当社は、幅広い音響機器のラインアップに加え、さまざまな信号処理が行えるデジタルミキシングエンジン「DME32」を2000年に発売、さらに2013年に商業空間向け音響のラインアップとして、マトリクスプロセッサー「MTXシリーズ」、パワーアンプリファイアー「XMVシリーズ」、スピーカーシステム「VXSシリーズ」「VXCシリーズ」を発売、人数や規模に応じたレイアウトに柔軟に対応しながら良質で明瞭な拡声や音楽再生ができるトータルソリューションを実現し、好評を得てきました。

 このたび発売する『MRX7-D』は、ホテル、宴会場、学校、会議室、劇場などの商業空間での幅広い用途に対応する多彩な機能を備えたフリーコンフィグレーションタイプのシグナルプロセッサーです。アナログ入出力に加え、豊富なデジタル入出力を搭載しており、最大で入力108チャンネル/出力104チャンネルの信号を自由な組み合わせで処理することができます。また、数多くのマイクの明瞭度を損なわずに使用できる「オートマチックミキサー」や「AEC(Acoustic Echo Canceller)」(2015年秋に対応予定)といった機能に加え、当社独自の特許技術である「スピーチプライバシー」機能を搭載しており、ゾーン毎に必要な音声や音楽を適切に簡単にコントロールすることができます。さらに、昨年、当社グループの一員となったRevolabs社(米国・マサチューセッツ州)製品との連携機能も備えており、設備音響におけるトータルソリューションを提案します。

 詳細は以下の通りです。

主な特長

1.豊富な入出力機能でさまざまな音響システムのニーズに対応

『MRX-7D』は、アナログ入出力に加え、豊富なデジタル入出力を搭載しており、最大で入力108チャンネル/出力104チャンネルの信号を処理することができます。このためエリアを分割して使用するホテルの宴会場やロビー、コンファレンスセンターにおける複数の会議室の音響のトータルコントロールなど、さまざまな音響システムのニーズに柔軟に対応できます。

アナログ入力8系統(マイク/ライン)、ステレオ入力2系統(ライン)、アナログ出力8系統に加え、最大16 系統の音声とワードクロックを送受信できるヤマハ独自のデジタル音声伝送フォーマット 「YDIF」 を搭載。「YDIF」対応のインプットエクスパンダー「EXi8」、アウトプットエクスパンダー「EXo8」、パワーアンプリファイアー「XMVシリーズ」とは、イーサネットケーブルでのシンプルな接続が可能です。
また、Audinate社(オーストラリア)のデジタルオーディオネットワーク規格である「Dante」にも対応しており、64系統の入出力を「Dante」対応のデジタルミキサー、インターフェース、パワーアンプなどに柔軟に接続できる高い拡張性を実現しています。

さらに、当社のデジタルミキサーなどにも採用しているMini-YGDAIカードスロットを搭載しており、用途に応じたMini-YGDAIカードを装着すれば、アナログ入出力の拡張だけでなく、さまざまなオーディオフォーマット、ネットワークオーディオに柔軟に対応することができます。
本体フロントパネルにはSD メモリーカードスロットを搭載しており、SD メモリーカードに保存されたMP3/WAV の音声ファイルをスケジュール機能により任意のタイミングで再生することができます。

2.設備ユースの悩みを解決する多彩な機能

『MRX7-D』は、Dan Dugan Sound Design社(米国・カリフォルニア州) のオートマチックミキサーを搭載。入力のあるマイクのゲインを上げ、入力のないゲインは絞り、トータルのミキサーゲインを一定にするよう各入力音声を自動的に調整します。このためパネルディスカッションなど多数のマイクを必要とする演目での煩雑なフェーダー操作が自動化され、ハウリングマージンが一定に保たれた安全で音の明瞭度の高いミキシングが行えます。
また、AEC(Acoustic Echo Canceller)機能により、遠隔会議で問題となるエコーを除去し、音声の明瞭度を高めることで、快適な遠隔会議システム環境を実現します。Revolabs社のデジタルワイヤレスマイクシステム「Exective Elite」からのミュートコントロールに対応※するなど、コンファレンスセンターや会議室で便利な機能を備えています。

  • ※ AEC機能とExective Eliteマイクからのミュートコントロールは、2015年秋に対応予定

さらに、当社の特許技術である聞かれたくない会話を音で包み隠すソリューション「スピーチプライバシー」機能を搭載しました。プライベートな会話に配慮を求める社会的なニーズが高まっており、公共の施設や会議室などから機密情報が漏れるリスクは重大な問題となりつつあります。「スピーチプライバシー」機能は、人の話し声を素材に合成した情報マスキング音を利用して会話内容をカモフラージュするもので、『MRX7-D』は自然な情報マスキング音を出力する機能を搭載しています。オフィスや医療施設、金融・行政機関などのコミュニケーションが欠かせない多くの場所での設備音響の課題を解決します。

「スピーチプライバシー」機能を使ったシステム例

「スピーチプライバシー」機能を使ったシステム例

3.さまざまな外部コントロール機器に柔軟に対応

壁埋め込み型コントロールパネル「DCP シリーズ」を接続すれば、手軽に複数ゾーンの音量制御、プリセットの切り替えなどが行えます。「DCPシリーズ」は最大8台まで接続可能で、電源は『MRX7-D』からイーサネットケーブル経由で供給されるため、別途電源の確保を行う必要がなく自由度の高い配置が可能です。

「Wireless DCP」の使用例「Wireless DCP」の使用例

また、iPhone/iPod touchやAndroid機器上から「DCP シリーズ」と同様のコントロールを可能とするアプリケーション「Wireless DCP」と、フェーダーやON/OFFスイッチ等のウィジェットを自由に配置しコントローラーを自由にデザインできるiPad用アプリケーション「ProVisionaire Touch」を用意しています。このため、専門知識のない方でも直観的な操作で簡単に音響システムのコントロールが可能です。
さらに、AMX社やCrestron社などのタッチパネル機器からコントロールを行うためのSerial 端子やNetwork 端子、スイッチやボリュームなど汎用インターフェースを通して接続できるGPI 端子(16in/8out)も搭載しています。

4.システム全体のデザインを実現する専用アプリケーションソフト「MTX‐MRX Editor」

「MTX‐MRX Editor」は、『MRX7-D』やマトリクスプロセッサー「MTXシリーズ」を中心としたシステムを設計するためのアプリケーションソフトウェアです。
『MRX7-D』「MTXシリーズ」に加え、パワーアンプ「XMVシリーズ」、インプットエクスパンダー「EXi8」、アウトプットエクスパンダー「EXo8」、デジタルコントロールパネル「DCPシリーズ」を使用したシステム設計を一つのアプリケーションソフトウェアで行うことができ、マイクの入力から、アンプ、スピーカーの設定までシステム全体を設計・管理することができます。

「MTX – MRX Editor」使用例

「MTX – MRX Editor」使用例

主な仕様

主要規格

メモリー数 プリセットメモリー: 50
サンプリング周波数 48kHz / 44.1kHz
シグナルディレイ 1.9 msec (AD-DA @48kHz)
全高調波歪率 * 0.05%以下(+4dBu, Gain:-6dB, 48kHz)
0.1%以下(+4dBu, Gain: +66dB, 48kHz)
周波数特性 20Hz to 20kHz: max:+0.5dB, min:-1.5dB
ダイナミックレンジ 107dB (typ. Gain:-6dB)
ハム&ノイズレベル
(20Hz to 20kHz), Rs=150d
-60dBu (Gain:+66dB), -83dBu (Gain:-6dB)
ファンタム電源 +48V(CH毎、個別に設定可能)
クロストーク (@1kHz) –100dB
発熱量 55.9kcal/h max
電源電圧 AC 100V・50/60Hz
消費電力 65W
寸法・質量 480W×88H×366Dmm・6.5kg
付属品 電源ケーブル、ユーロブロックプラグ(3ピン、タブ付き)×16、
ユーロブロックプラグ(16ピン)×2、Cable Ties, 取扱説明書
  • * 全高調波歪率の測定は80kHz, 18dB/Octのフィルターを用いています。

アナログ入力規格

端子名称 ゲイン 入力
インピーダンス
ソース
インピーダンス
入力レベル 使用コネクター
規定レベル 最大ノンクリップレベル
INPUT 1-8 +66dB 10kΩ 50-600Ω Mics –62dBu –42dBu EURO BLOCK
-6dB 600Ω Lines +10dBu –+30dBu
ST IN 1,2   10kΩ 600Ω Lines -10dBV +10dBV RCA Pin Jack
  • * すべての仕様において、0dBu= 0.775Vrms 0dBV=1.00Vrms です。
  • * AD コンバーターはすべて24 ビットリニア/128 倍オーバーサンプリングです。
  • * インプットユーロブロック端子には、端子ごとに本体ソフトウェアからON/OFF設定可能な+48V DC(ファンタム電源)が搭載されています。

アナログ出力規格

端子名称 出力インピーダンス 負荷インピーダンス 出力レベル 使用コネクター
規定レベル 最大ノンクリップレベル
OUTPUT 1-16 75Ω 10kΩ Lines +4dBu +24dBu EURO BLOCK
  • * すべての仕様において、0dBu= 0.775Vrms です。
  • * DA コンバーターはすべて24 ビットリニア/128 倍オーバーサンプリングです。(Fs=48kHz)

デジタル入出力

端子名称 フォーマット レベル IN/OUT 使用コネクター
YDIF in YDIF RS-422 16 in RJ45
YDIF out YDIF RS-422 16 out RJ45
Primary / Secondary Dante 1000base-T 64 in / 64 out RJ45

コントロールI/O端子

端子 フォーマット レベル 使用コネクター
GPI 16IN / 16OUT In - 0V-5V (IN16は耐入力24V) EURO BLOCK
Out - Open Collector EURO BLOCK
+V - DC5V EURO BLOCK
NETWORK Ethernet 100Base-TX - RJ45
REMOTE - RS-232C (BAUD RATE : 38.4kbps or 115.2kbps) D-sub 9pin (Male)
DCP - - RJ45

ヤマハ シグナルプロセッサー『MRX7-D』リアパネル

ヤマハ シグナルプロセッサー『MRX7-D』リアパネル

*Apple、iPadは、米国およびその他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

*文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。

この件に関するお問い合わせ先

■報道関係の方のお問い合わせ先

ヤマハ株式会社
広報部 担当:木崎
〒108-8568 東京都港区高輪 2-17-11
TEL:03-5488-6605
FAX:03-5488-5063

■一般の方のお問い合わせ先

株式会社ヤマハミュージックジャパン
PA営業部
プロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL:0570-050-808 (ナビダイヤル、全国共通番号)
(電話受付: 祝祭日を除く月~金/11:00~19:00)
ウェブサイト http://jp.yamaha.com/support/

※このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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