2019年05月23日
「令和元年度全国発明表彰」において
エレクトリックバイオリンの意匠が
「日本弁理士会会長賞」を受賞
ヤマハ株式会社のエレクトリックバイオリンに関する意匠が、「令和元年度全国発明表彰」(主催:公益社団法人発明協会)の第一表彰区分の特別賞「日本弁理士会会長賞」を、また、受賞発明の実施等に関し「発明実施功績賞」を受賞しました。本表彰における当社の特別賞の受賞は4年ぶり5度目となります。なお、6月10日(月)には、ホテルオークラ東京にて、常陸宮殿下ならびに同妃殿下ご臨席のもとで表彰式が行われる予定です。
受賞内容
- 令和元年度全国発明表彰 第一表彰区分 特別賞「日本弁理士会会長賞」
辰巳 恵三(たつみ けいぞう) ヤマハ株式会社 ブランド戦略本部 デザイン研究所 - 発明実施功績賞
中田 卓也(なかた たくや) ヤマハ株式会社 代表執行役社長
受賞発明の概要
「強度・軽量・演奏性を兼ね備えるエレクトリックバイオリンの意匠」(意匠登録番号: 第1520260号)
クラシック音楽のみならず、ジャズやロックなどジャンルの壁を越えた音世界を表現することができる新しいバイオリン―エレクトリックバイオリン「YEVシリーズ」の意匠です。自由なステージパフォーマンスを実現するための良質な道具としてのエレクトリックバイオリンを追求し、共鳴胴を持たないバイオリンとして再構築しています。その最大の特徴は、「メビウスの輪」を連想させるフレーム形状で、新しいデザインでありながらも、肩当てを装着する箇所の外形ラインや面がアコースティックバイオリンと機能的に同等の形状となっており、本質を押さえたデザインを実現しています。また、顎当て、ブリッジ、ネックをはじめ、演奏に関わる部分はアコースティックバイオリンの配置を基にし、手にとって弾いてわかる「収まり」の良さを実現したほか、アーチ状のボディーとそれを包み込むフレームの構成によって、空間の中にもしっかりとした容積を感じる立体的な造りを表現しています。音質面においては、中央のボディーにはギター造りで培った技術を活かして素材を吟味し、メイプルを中心にマホガニー、スプルースの5層構造とすることで、立ち上がりが良くナチュラルなサウンドを実現しました。四百年を超える歴史を持ち、完成された楽器とも言えるバイオリンにおいて、変えることと変えないことを抜本的に精選した新しい「モノの進化のあり方」の一つを提案する意匠です。
- ご参考:「YEVシリーズ」 製品ページ
https://jp.yamaha.com/products/contents/strings/el-violins/yev/index.html
全国発明表彰について
公益社団法人発明協会が主催する全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に大正8年から続くもので、多大な功績を挙げた発明、考案、または意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等を表彰するものです。なお、今回受賞した「日本弁理士会会長賞」は、最優秀の「恩賜発明賞」に続く9件の特別賞のうちの一つとなります。
当社のこれまでの全国発明表彰受賞実績
平成2年 | 「特別賞」 | 特許庁長官賞・発明実施功績賞 電子ピアノの意匠 |
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平成12年 | 「発明賞」 | 電気バイオリンの意匠 |
平成17年 | 「発明賞」 | 分解組立可能な電子オルガンの意匠 |
平成18年 | 「発明賞」 | 電子ピアノの筐体の意匠 |
平成19年 | 「発明賞」 | 声を音色に変換する電子トランペットの意匠 |
平成21年 | 「発明賞」 | 光と音の新しいインターフェイスによる電子楽器の意匠 |
平成23年 | 「特別賞」 | 朝日新聞発明賞・発明実施功績賞 古木化を促進して楽器の音色を改善する方法の発明 |
平成25年 | 「特別賞」 | 日本弁理士会会長賞・発明実施功績賞 個性豊かで自然な歌唱音声合成技術の発明 |
平成27年 | 「特別賞」 | 朝日新聞発明賞・発明実施功績賞 生音再現技術を搭載した金管楽器用消音器の意匠 |
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